中山七里「カインの傲慢」
角川(読了2021.04.09)
本のハナシ
久しぶりに読んだ中山さん著
犬養刑事シリーズ5作目(?)
雑木林に埋められた少年の遺体の
発見から物語は始まる
少年の身体には臓器がなかった。
国境を越え、違法な臓器売買組織
少年ばかりが被害者の連続殺人事件
背景にある貧困
希薄な家族関係
金のある者たちが
金のない者たちを食い荒らす
まさに傲慢でしかない犯行理由
※以下、微ネタバレ有※
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正直、黒幕は黒幕らしく
悪に徹して欲しかった…
嫌な奴は嫌な奴だったけど、
犯人を追い詰めた刑事を責めるような
ラストは少し後味が悪かったです
何つうか~
自分が法を犯し、人を殺めた分際で
事件を暴いた刑事を逆恨みする
まさに棚に上げての展開がいちばん嫌い
でも今作でいちばん嫌悪したのは
16歳になる自分の息子が殺されたのに
その葬式の香典すらパチンコ代に充てようとする
胸糞悪い父親…でしょうか…
その妻(母親)は、
息子の給食費をソシャゲ代に注ぎ込む
現代を象徴するような夫婦ですね
実際にこんな親がいない世の中であって欲しい
今回は、期待していたドンデン返し
いまいちだった気がします…
というか、後味の悪さが全てでしょうか
(;´・_・`)ゞ
色々と考えさせられるテーマでした
人身売買をタブーとする裏で
臓器移植を待ち続ける人達の願い
社会派ミステリとして
中山さんの作品はいつも鋭いです
なかなか壮大な展開でしたが
読み応えあり(๑•̀ㅂ•́)و✧です
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